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学校給食

学校給食からオーガニックが当たり前な世界を。活動スタートからおおぶニック米が誕生した2年間に迫る!

2021年3月から活動をスタートしたFarm to Table〜農と食をつなぐ〜(以下「Farm to Table」という)。たった2年という短い期間で多くの実績を生み出しています。

・慣行農家さんを巻き込み、大府市の名前をモチーフにした有機米「おおぶニック米」を創り出す。

・何も知らない素人家族10名を集め、地元自然栽培農家さんと共に耕作放棄地を耕して500kg弱のお米を収穫する。

・市の栄養士さん、農家さんと協力し、保育園で地元無農薬・無化学肥料の野菜が使われるように。

今回のインタビューでは、代表の望月雅美さんに、これまでの2年間で体験した事をお聞きしていきます。

 

—— まず、Fam to Tableを始めたキッカケを教えて頂けますか?

最初のキッカケは、未来をつくる給食♡Foods for Children愛知の代表でもある藤永さんとの出会いです。活動を聞いたときに、「これはやらなくてはいけない!」と使命感を感じました。

私は愛知県大府市に住んでいるので、ここから活動を広げようと決めました。学校給食はもちろん、農家さんが増えたり、町おこしに繋がるといいなという思いが出発点です。

また、1番大きいのは母として、子どもたちがこれからの未来に、より元気に自然に寄り添った生活が出来たらいいなという想いです。

 

—— 昨年末(2022年)は、お米を種籾から収穫して食べる所までをやりきったとお聞きました。現在の活動を簡単に教えて頂けますか?

まず1つは、素人が1からお米づくりに挑戦する取り組みを始めました。農家さんに協力してもらいながら、耕作放棄地を開墾。最終的に、10世帯の家族で500kg弱のお米を収穫できました。

また、慣行農家さんと話し合いをして、田植え後、農薬や化学肥料を使用しない米作りをスタート。2022年には1200kgほど収穫できました。

その他には、公立保育園12園へ月1度、地元無農薬・無化学肥料の野菜を納品できるようにもなりました。

「ガチ田んぼ」の田植えの様子

 

—— 慣行農家さんと共に活動されているとの事ですが、なかなか難しい印象があります。実際に苦労された事はありますか?

はい、最初は大変でした!

相手にされないどころか「オーガニックなんて到底無理!話にならない」っていう人でしたので(笑)でも、私たちが相当しつこかったんですかね?(笑)何回も会いに行くうちに、お話ができるようになっていったんです。

すると、今の農家さんは本当に大変なんだって分かってきました。だから、有機に切り替えるだけの余力がない。

農家さんに直接「何が変われば有機米を作れますか?」と聞いたら、「草がなければ」と言われ、「私たちが草の管理をやります」と伝えました。

そんな流れから一緒にお米づくりが始まりました。

 

—— 公立保育園に野菜を届けているとのこと。小学校ではなく保育園から始めた理由はあるのですか?

やっていく中で分かったのですが、保育園と小中学校の給食って管轄が違うんです。保育園は市。小中学校は県が絡んできてしまう。

もちろん、学校教育課にも行きましたが、全然相手にされなくて。でも、市の保育課は担当の栄養士さんとお話ができて、いい具合に進んでいきました。

私たちの場合は、担当の栄養士さんも子ども達の食について関心のある方だったのも大きいです。

きっと全国にも「給食を変えていきたいけど、どうしたらいいか分からない」という悩みを抱えた栄養士さん、関係者さんがいるはず。

そんな方達と繋がることが大切だと思いました。

新鮮で身体にやさしい有機野菜たち。

 

—— 現在、オーガニック給食の活動が盛んになってきています。実際に活動されている立場で、課題だと思うことはありますか?

学校給食は、すでに今の状態で回っているものです。そこにメスを入れていくのはとても大変なことだと感じています。

例えば、新しく有機野菜が学校給食に出るということは、慣行農家さんの仕事を奪うことになってしまう。そこは、協議が必要になってくるところだと思います。

あとは、消費者のオーガニックに対する認識が変わっていくといいなと感じています。現状では「オーガニックは余裕があり、裕福だからできることだよね」と思われてしまう。

身体に良いことは分かってもらいやすいです。ただ、子ども達が大人になる頃の地球のことまで理解してもらうとなると…まだまだ難しいですね。

 

—— 学校給食のオーガニック化は、あくまで入り口。目指してるのはその先にあるとのこと。具体的に教えて頂けますか?

例えば、私たちの活動がキッカケで、農家さんが増えたり、町おこしに貢献できたり。学校給食がオーガニックになって終わりではなくて、そこから世の中がどう変わっていくかが大切だと思っています。

ただ、今では素人である私たちがお米を作っちゃってる立場。純粋にお米ができた時の喜びが半端ないんです。私が好きなことをやっていて、将来の子ども達のためになれる。それがたまらないほど幸せです。

それから、先日、息子と映画となりのトトロを観たんです。息子がふと「昔みたいに、田んぼがたくさんある風景っていいよね」って呟いたんです。

普段はお米よりパンが好きな息子。私が「パンのほうが好きじゃん!」って言うと「そうだけど、お米もたくさん食べたい!」なんて答えが返ってきて。私たちの活動に込める思いが、ちゃんと届いてるんだなって嬉しくなっちゃいました。

多くの家族でゼロから米作りにチャレンジ!

 

—— 今後、活動をどのように広げていく予定ですか?

私たちが協力して有機の一歩を踏み出したおおぶニック米を、大府市のブランド米にしたいと思っています。すでに慣行農家さんの中に「俺たちもそのやり方でやってみる!」と言ってくれる人もいるんです。

農家さんや市と協力しながら、おおぶニック米をより多くの子ども達に届けたいと思っています。

今年は新たなご縁もあり、お米を自分で作れる人を増やしていきます。新メンバーも加わり、これからがますます楽しみです。

根本的に農家さんも人手が足りていないので、援農できるような仕組みも考えていけたらと思っています。

愛知県大府市からおおぶニック米が世界へ。

—— それでは最後に、この記事の読者さんに届けたいメッセージはありますか?

そうですね…。少し難しいですが(笑)

「本当に今だと思います!」

この活動が波に乗って広がっていくためには、「今」だと思っています。今このタイミングで、子ども達の未来を考え、少しでも行動を起こすことができる人がどれだけいるのか。

自分の意思表示を少しでもすることで、世の中を変えていけるチカラが一人ひとりにはあると信じています。そのために自分ができることを見つけて欲しい。

それだけで、これからの子ども達の未来は明るいんじゃないかなと思います。

こんな感じで良かったですか?(笑)

Farm to Table代表の望月さん

 

——— とても参考になる経験をお聞きできました。望月さん、本日はお時間を頂きありがとうございました。

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執筆ライター

せいしょう

編集部

せいしょう

IT分野の専門家としてワンオーガニックデイのプロジェクトに参画。公式WEBの管理や編集に携わる。

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インタビュイー

望月 雅美

Farm to Table代表

望月 雅美

2021年3月にFarm to Table〜農と食をつなぐ〜を立ち上げ、農家さん、行政、一般消費者の枠組みを超えた取り組みを行う。

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